-:あの、さっき学会って言われましたけど、学会に用事というのはどういう・・・?学会に薬の勉強をしに行くという事ですか?
元MR:あ、いや、学会に参加するって言うのは学会のお手伝い。
-:ああなるほど。
元MR:あくまで学会って言うのは医者同士が、地区の医師会が主催してその地区の医者を集めて、まぁ内科なら内科学会、内科の先生たちが集まって、最新の情報を先生方が発表する。それをまた他の先生方が聞くと。
-:うん。
元MR:そういうのを定期的に行うことによって、自分たちの情報交換をしてると。
-:なるほど。
元MR:そういったその中での司会とか、映像とか音響とか、そういったそのサブの手伝いをすることが製薬業界の「お手伝い」。今は少し状況が変わっているかもしれません。お手伝いもあまり出来なくなってると聞きましたから。そういう事をする事によって、先生と近くなる。学会に行く事によって。
-:なるほど。
元MR:そこに来る先生に挨拶できるし、先生から新しい情報も入る。まぁ一石二鳥の効果もある。それを任されるって言う事は結構その会社が先生から目をかけられている証拠だから。いかにその学会に入り込んで行くか。
-:ええ。
元MR:主催をする事もある。新しい薬を出したら、その会社が主催をして先生方を集める事もできるし、あんまり力のない会社だと先生方も集まってくれないし。それはあくまで会社の規模、信用度によって変わってくるから。学会に参加するって言うのは結構大きな仕事。
-:おお。
元MR:それで地方から来る先生方にとっては、ホテルがある、学会を主宰する所のホテルで一晩泊まったりとか、そういう時にメーカーも一緒に泊まってる訳だから、「じゃあ夜は一緒に飲みに行こうか」と、そういう話ができるようになる。飲んだら親しくなる。親しくなったら病院も出入りしやすくなる。そういうところから付き合いが始まっていく。まぁどんな職種であろうと仲良くなることが基本じゃないかな。
-:うん。
元MR:まぁ別にこれは悪い事じゃないから、そういう事で親しくなるのは仕事にとってもメリットがある。だから定期的に学会に参加するのはすごくいい事。
-:ああ、なるほどなるほど。まぁ要は勉強会みたいな感じで捉えていいんですよね。
元MR:そうですね。普通の勉強会ですね。ただそれが医者の薬の話、難しい薬の話ってだけで。