-:製薬業界の展望についてもう少し教えてもらえますか?
元MR:実はこの間前の会社の人間に電話してちょっと世間話をしたんですよ。最近年末起こった金融恐慌で大変じゃないかなって。向こうも気にしてたし、こっちも気にしてた。で、ちょっと聞いたんですけど、彼にとってはそんなの全然関係ない、「世間ってそうなんだ」と人ごとのような口調だった。
-:ははは。
元MR:全然こっちは転職して戻ってる関係で、まぁちっちゃな会社だから直撃を受けて、苦しんでいるっていう状況を伝えたら、「ああそう、大変ですね」と。これもまったく人ごとで。
-:ははは。
元MR:それから世間話になって、「近いうちに出張でそっちに行くから一緒に飲まないか」とお気楽な話が始まって、「自分は飲んでる場合じゃない」と答えたんですけど、「行けたら行きたいな」「ああぜひ来てくださいよ」と、そういう話から始まって、つくづく「自分の居た製薬業界って今どんな感じかな」って聞いたら、「何も変わらん」と。
-:ははは。
元MR:今度その会社の方もまた新しい社屋も建てるみたいで。まるっきり世間がこんなに不況だという状況がわかってない感じ。
-:ははは。
元MR:そんな話を聞いてるとうらやましい感じがして、やっぱり製薬業界は強いなと。(前の会社の人間は)自分でも「ああ製薬業界に入ってよかったな」と、そういうふうに今感じてると。ヒシヒシ伝わってきて、やっぱり製薬業界、自分が入ったときもそうだったけど、不況に関係ない。好不況に左右されない業界として、今絶対製薬業界はいいなと、思い知らされた電話だったです。
-:でも本当、不況に強いってのはいいですよね、すごいセールスポイントじゃないですか。いい業界ですよね。
元MR:まぁ本当にだからそういう彼らの仕事にしても、学会とかいろんな説明会にしても好不況、世間がそういう事に左右されない、常にある仕事だし、病気にしても不景気でも病気は出るし、好景気だろうと病気になる。
-:うん。
元MR:風邪も流行るし、まぁ前の会社の時はその、特殊な薬なんかも扱ってたから、そういう薬は高い薬だから、まぁ目とか耳とかアレルギーのある人は花粉が飛べば売れるし、風邪が流行れば風邪薬も売れるだろうから、やっぱりこういう業界は強いなと、つくづく感じた電話だったですね。