―:今までの話を聞いて思ったんですけど、(薬の)値段というのは販売の決め手にはならないんですか?
元MR:(薬を)値段で選ぶ先生も確かにいる。その、利幅が大きい薬を選ぶ。「成分関係ない、値段だけ!」って。その傾向が顕著なのは、まず薬局、病院を開業したばかりの先生はその傾向が強い。
―:はいはい
元MR:やっぱり病院を開業すると数千万かかるから、それを回収するために、どうしても薬にすごくシビアになる。
―:ああ、そんなにかかるんですか。
元MR:薬の利幅が高いものを使えとなる。商売人になっちゃうけど、それはしょうがないことかなと。だから病院とかいうのは親譲りの人が絶対有利。
―:ええ。
元MR:当然最初から自分で開業するとなると、とてつもない金がかかるから、どうしても親が病院だったら病院継いだほうがいい。施設もあるし、設備もある。顧客もいる。だから、そういう情報は卸さんがよく情報をつかんでいるから、それに聞いて、卸さんに情報を聞いて「先生が病院を出すらしいよ」という情報を得るために(強調)、卸さんの所に毎日顔を出すと。
―:ああ。
元MR:卸さんと親しくなること、卸さんと仲良くするのも大事なこと。
―:やっぱり、病院が新しく立ち上がった時は、書き入れ時じゃないけど、稼ぎ時、みたいな。
元MR:それが一番大事!
―:それですか
元MR:薬は商品と同じで最初に置かせてもらうことが大事。それを変えようと思ったら、それが最初に商品を入れる数倍の努力をしなくてはいけない。
―:う~ん
元MR:やはり最初にそこにあるものっていうのは強い。
―:ああ、やっぱりそうでしょうね。
元MR:薬の発売と一緒で、最初にやっぱり使う薬は強い。それと、後から出た薬というのはなかなか変えてもらえない。後発医薬品って言うんだけど、値段は何分の一って安いんだけど、もう値段じゃない。やっぱ最初に使った薬というのは強い。